臨時版(本日第4弾・日銀が債務超過になることはなぜ大変な恐怖なのか?)

2020年04月11日

日銀が債務超過になることはなぜ大変な恐怖なのか?

昨日の金曜日は感謝祭で米国は休みだった。FRBが閉じているので、昨日付でドル円の為替決済は行われてはいない。したがって現金での交換以外、昨日、ドルを手にした人は世界中で誰一人いなかったはずだ。日銀が債務超過になるとは未来永劫、日銀が閉まってしまし、円を売ってドルを手にすることが出来なくなってしまうのと同じである。

米銀は、国も中央銀行も破綻するという前提で国にも中央銀行にも取引枠を決める。その評価方法は時価評価だ。国への信用枠が無くなると日本国債は当然買えない。日銀との取引枠が無くなれば日銀に預金を置くことはできなくなる。これは大問題で、日本は民間を通してのドルが全く手に入らなくなる。

顧客が原油輸入用のドルを買いたいというのでA邦銀がJPモルガンに「ドル買い・円売り」を打診したとする。日銀に信用枠が無くなるとJPモルガンはA邦銀との取引を行えないので取引を拒否する。A銀行がドルを買うためには円をJPモルガンに渡せばならないが、JPモルガンの円の受け取りはjpモルガンの日銀当座預金への振り込みで行われる。信用枠が無くなるとは、その口座を持ってはいけないということ。JPモルガンは日銀の口座をクローズせざるを得ない以上、円が受け取れない。円が受け取れないのにドルを渡すわけがない。

皆さんが邦銀X行が倒産しそうだと聞くと、X行にある自分への振り込みを辞めてくれと依頼するのと同じだ。したがって日本人は原油を買いたくとも海外農産物を買おたくとも円を売って基軸通貨ドルを新規に手にすることが出来なくなる。既存のドルの奪い合いになる。ドルが急騰し円が暴落する理由だ。

日銀が一時的な債務超過なら信用枠縮小で済むかもしれない。しかし債務超過が巨大で、長く続くと思えば信用枠は簡単にゼロとなる。米銀も米国政府も日本と一緒に倒産したくないからだ。ちなみに政府が資本注入して債務超過を解消すると言っても、日本は財政赤字国だ。日銀への注入原資は日銀が新しく刷ったお金となる。そんなことで債務超過解消など見てくれる甘っちょろい米銀などない。