1.日銀が債務超過になるということ。
昨晩、日銀が債務超過になると、いかに怖いかを詳しく書いた。要は基軸通貨ドルが手に入らなくなる、ということ。円は国内でしか通用しない通貨になり下がってしまうということだ。町の商品券と同じだ。その町で生産できるものはいい。しかし町の商品券では石油も輸入農産物も、中国から輸入するマスクも買えなくなる。ドルの争奪戦。円の価値は暴落(=ハイパーインフレ)。
2.日銀が債務超過になっても政府が資本注入すれば大丈夫なのか?
日銀の債務超過は大変だと昨晩書いたら、twitterに「日銀が債務超過になっても、増資をして政府に引き受けてもらい、債務超過を解消すれば良いだけではないのですか?」という質問が来たので以下のように回答しておいた。「毎年多額の借金をしている政府が増資を引き受ける財源はどこにあるのですか?中央銀行が債務超過になっても大丈夫な条件は4つほどありますが、最低限の条件は政府が財政黒字で国民の税金で増資を引き受けられるときだけです。」
3.新型コロナ危機の遺産:借金の山
FBで紹介を受けてページを開けてみた。契約していないので冒頭しか読めないが、タイトルがすべてを語る。他国は、平時にそれほど借金を積み上げていないから、後の消費税上げ等でなんとか乗り切るのだろうが、平時に借金を巨額に積み上げてしまった日本は極めて危険な状態にある。危機対応に対する財政出動は極めて慎重に行わないと危ない。金が無いことの認識の上に、だ。日銀の倒産はいずれは不可避だろうが、コロナ禍の最中に起きたらそれこそ日本は生きるか死ぬかの悲惨さな状況になる。保証への財政出動が日銀の債務超過を引きおこさないかの慎重な検討が重要。黒田日銀総裁はつらいだろうが、日銀の窮状を今こそ正直に語るべき。そうでないと一気に日銀破綻が現実問題となる。それが黒田日銀が今まで起こしてきた政策ミスへのせめても償いだ。https://jp.wsj.com/articles/SB10626573421803964767504586314460148227204?reflink=fb&fbclid=IwAR1MWq6LYxKI4jsPGfps_UEewxUiNtFWVeITn0Co05_3GObuo5CIgGn5Gd8
4.本日の日経新聞1面トップ記事
「大企業も資金難懸念 3割減収、半年で4社に1社枯渇」
この記事内容と日経平均のレベルがあまりにミスマッチだ。どちらかが間違い。私は当然、日経平均だと思う。政治家は、内部留保を減らせと叫んでいたが、経営者のなんとなく(?)持っていた危機感のほうが正しかったようだ。現預金を持っていなかったらすでに企業は資金繰り倒産の危機。https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5796058011042020MM8000?disablepcview
5.前日銀総裁 白川方明氏のインタビュー記事
「コロナ危機は金融緩和の長期化に伴う不均衡の蓄積という問題を浮き彫りにした」本日の日経新聞1面記事。まさにそのとおり。世界最悪の日本の財政。「デフレ脱却」に名を借りた、実は「政府の資金繰り倒産」の先延ばし策の異次元緩和。それが今日の窮状を招いた。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57960700R10C20A4I00000/