1.医療崩壊を防ぐのが政府の仕事の第1
医療従事者に、人工呼吸器やマスク、防護服などがいきわたらないという。生産者が「生産拠点を新設すると、需要がピークを過ぎれば、過剰設備になる」で増産しないからだそうだ。ならばこここそ政府が第1にお金を使うべきところでしょうが?https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58052770U0A410C2EA2000/
2.小林敬一郎慶大教授の衝撃予想
本日の日経新聞の経済教室。小林慶一郎慶大教授曰く「コロナ危機後の世界では、金利が正常化して80年代ごろの水準に戻るかもしれない。一方、各国政府は想定外の巨大債務を抱えることになる。「政府債務が極端に増えればインフレになる」ことは歴史の経験則だ。世界中で財政インフレの実験が始まることになるのではないだろうか」世界最悪の財政赤字は日本。金利が上昇して一番、倒産の危機に直面するのは日銀。なにせ長期金利が0.3%になったら債務超過なのだから。ちなみに80年代ごろの水準とは「80年代で長期金利が一番高かったのは80年4月の11%、一番低かったのは1988年の4.8%(年末の数字の比較)「今から金利が平行移動で11%上がったら評価損はどのくらいになりますか?」と国会で日銀に聞いたら140兆円(今年の国の税収総額の2倍以上)とのことだった。80年代無担保コールは4~9%。9%になれば日銀の資金発行損(損の垂れ流しは毎年36兆円前後。今年の税収総額の半分程度と比較していただきたい)。https://www.nikkei.com/article/DGXKZO58031210U0A410C2KE8000/
3.借替え債の意味
昨日Twitterに以下の質問があった「藤巻さんのおかげでいろいろ勉強させていただけてありがとうございます。 国債発行額の内、半分ほどは借換債となっていて実際に日銀が新規国債を購入しているのは30~40兆円程だと思われますが? ちなみに財務省資料からH15年度国債発行額は141兆円となっていますが…地方含むという事ですか?」
以下のように回答した。
「141兆円は新発国債と借換債を合計した数字です。国が141兆円を発行する際、これは新発債、これは借換債と区別して発行するわけではありません。141兆円を調達し110兆円を満期がきた国債の償還に充て30~40兆円を今年発生の赤字に充てるだけです。誰かが141兆円購入してくれなければデフォルト発生です。借換債と言っても最初に買った人がずっと持ってくれるということではありません」
4.日銀債務超過の意味
昨日Twitterに「日銀の債務超過がなぜいけないのかわかりません」という質問が来たので以下のように回答した。「時価評価で日銀が債務超過になれば欧米銀行は日銀との取引枠をゼロにするでしょう。取引枠を無くせば(=預金も置けない)為替取引は出来ません。為替取引は日銀ネットを通して行うからです。円をドルに交換出来なくなれば円の価値は暴落です、円では原油も輸入農産物も買えないからです。
5.MMT信者の間違い
わたしのTwitterに絡んでくるMMT信者の大部分が「国債を発行をしないとお金がなくなる」とか「財政出動による信用創造でお金が生まれる。だから財政出動派不可欠」というトンデモ理論を誰かの受け売りで唱えているようです。昨日も「お金は『信用創造』によって生まれる」という核心は麻生大臣も黒田総裁も認めているところです。それが「良いか悪いか」は僕はわからないんですが、現実はそうなっていますよね。お金は実体のあるものではなく元々『無』から生まれたもので、これからも生み出され続けるものです」というリツイートがありました。この方の主張¥疑問はいつものMMT信者の質問とは少し異なりますが、以下のように回答しました。
「お金とは日銀がマネタリーベースを銀行間市場に供給(昔は短期国債や約束手形の購入によって)する(いわゆるタネ銭)ことで発生し、銀行が借金需要により、そのマネタリーべースを使い貸し出しを行うことで、信用創造により市中のお金が増えます(続)日銀は、その様子を見ながら金利を上げたり下げたりして市中のお金の量をコントロールしていました。異次元緩和以降はマネタリーベースを極大化することにより、市中の金を増やすことを画策しましたが、貸し出しが伸びず、信用創造が働かず今のところ失敗しています。しかし何かの拍子で貸し出しが伸びると、種銭(マネタリーベース)をばらまきすぎているので一気に市中のお金が膨大な量になりハイパーインフレです。今、日銀にはマネタリーベースを減らす手段(=国債を銀行に売り返す=そんなことしたら長期金利急騰)がないので制御不能となります」