1.コロナ後の日本の財政もとても心配だ
日経新聞春秋氏いわく「与党の声を受けるかたちで1人一律10万円の現金給付という案が浮上している。もし所得制限なしで支給すると、しめて12兆6千億円。コロナ危機は深刻だが、コロナ後の日本の財政もとても心配なことになる」ここでコロナ禍が収まればいいが、さらに深刻化していくと、生活保護の基準を「文化的な生活を営める」レベルから「生存権を確保する」レベルに引き下げて対処せざるを得ない事態は来ないのだろうか?IMFの予想が当たり、大恐慌並みの不況が来るなら十分可能性はある。平時に財政赤字を極大化したしまったこの国は、さらなるバラマキをすると臨界点を超える可能性がある。だから今回は、すでに「生存権を確保できない人」に絞り少しでも余力を先にもたせた方がいいのではないか?世界最悪の財政国・日本は財源を気にせずに大型財政出動が出来る他国とは事情が違う。https://www.nikkei.com/article/DGXKZO58109620W0A410C2MM8000/
2.『臨界点』はどこかにある
元日銀審議委員だった白井さゆり氏いわく「だが、今は低金利だから大丈夫だとはいっても、政府は無制限に債務を膨らませることはできない。『臨界点』はどこかにあるはずだ。国際通貨基金(IMF)も日本の財政は当面は持続可能というが、『当面』とはいつまでなのか。日銀がこのまま国債を際限なく買ってよいのかという論点も置き去りになっている。経済学界を含め、日銀の役割を絡めた財政の行く先を正面から議論すべきだろう」 100%Agree.
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO58087420V10C20A4TCS000/
3「政府の拳」は万能か
日経新聞コメンテーター梶原誠氏いわく「政府の拳の恩恵を享受した投資家も、もろさに気付けば容赦なく国債を売る。リーマン危機に対応するための財政出動で各国の債務が膨らんだ結果、2年後の10年には欧州で債務危機が連鎖した。今回、コロナと債務の同時危機に苦しむ国が出れば、世界経済は一段と不透明になる」梶原氏はどの国と明確に述べていないが、その危機の先頭にある国は世界最悪の財政状況で、世界最大のメタボの中央銀行を持つ日本だと私は思う。だからドルを買って逃げるのがいい。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58089810V10C20A4TCT000/
4.財政支出ではハイパーインフレにならないのか?
Twitterに「過去の歴史を見ても財政支出によりハイパーインフレになった国なんてないですよ 過去の全ての例で供給システムが破壊されることによりハイパーインフレになってます 需要が増えることによるインフレは緩やかに進みます」とのリツイートが来たので以下のように反論しておいた。「『日本銀行の機能と業務』(日本銀行金融研究所)p5『1877年(明治10年)の西南戦争に伴い、戦費調達のために政府不換紙幣が大量に発行され、激しいインフレーションを招来する結果となった。こうした状況下においてインフレーションを収束させるために日銀が設立された』と書いてありますが。」
5.超長期債に上昇圧力、理由は?
超長期債に上昇圧力がかかっている理由を日経新聞は「マイナス金利政策の長期化に伴い、超長期債の買い手である保険会社や年金基金が運用難に陥り、国民の消費意欲や物価に悪影響を与えかねないとの懸念で日銀が上昇を容認しているせい」としている。それも事実に違いないが、私は、日銀の国債購入は10年が中心で超長期債は日銀がそれほどは保有していない。したがってそこの金利が上昇しても日銀には債務超過の危機は来ない。そこを抑えるところまでは手が回らないせいだと思っている。一方、10年金利が少しでも上昇すれば日銀は債務超過に陥る、その金利を抑えることに死にもの物狂いなのだろう。なにせ日銀の保有国債の平均利回りはたったの0.26%だ。0.3%の上昇など1晩で行ってしまう可能性がある。ほんの少し金利上昇で完全にアウト。円暴落が起きてしまう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58088550V10C20A4EN2000/