1.国民1律10万円配布の財源は?12兆円は東日本大震災の際の復興債11.6兆円とほぼ同じ
国民1律10万円には12兆円かかる。東日本大震災の際は11.6兆円の復興債が発行されたからほぼ同額だ。この復興債は現在、個人所得税に2.1%、25年間加算されることで返済されている。当初は法人税、所得税を10%、5年間上げて対処するとの議論がなされたと記憶している。今回も同程度の増税が予想される。コロナがここで収束するのなら、何とかなるかもしれないが、これだけの増税を伴うのだから、今後、何度も支給するわけにはいかない。だとすると、これから急増すると思われる生存困難者のみに限り、彼らに何回も渡す余力を残すべきではないのか?平時にバラマキをしていていなかった国なら、まだ余裕があるだろうが日本は違う。日銀がさらにメタボになり、この期に債務超過になったら、目も当てられない。悲惨に尽きる。この配布も目的がはっきりしない。生存権を脅かせる人に向けた支給というわけではない。かといって、この時期配布したところで、余裕のある人は貯金に回すだけで景気対策には全くならない。政治家の人気取りに使われるなら国民は悲惨な目に合う。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58144470W0A410C2MM8000/
2.米銀は逆風にさらされている
私が勤めていたJPモルガンの今年1-3が月の純利益は28億㌦(約3000億円)、バンク・オブ・アメリカは40億㌦(約4750億円)だそうだ。日経新聞の他の記事には「米銀は逆風にさらされている」と形容している。しかし前年比68%減のJPモルガンの3000億円、45%減のバンク・オブ・アメリカの5000億円弱はたった3か月間の利益だ。ちなみに世界最大規模のゆうちょ銀行の2020年3月期決算予想は3750億円。邦銀トップの三菱UFJフィナンシャル・グループのそれは9000億円に行っていなかったと記憶している(自信がないので各自お調べください)。こちらは1年間の利益だ。要は、逆風にさらされ68%減益のJPモルガンでも、3か月でゆうちょ銀行の1年弱分を稼いでいるということだ。(邦銀も今後、大幅な収益減があるだろう)なにも金融界だけの話ではない。、他産業も同じだ。米国の力強さ、奥の深さの1例だ。ドルが世界の基軸通貨であり続け、世界でドルの争奪戦が行われている理由でもある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58110720W0A410C2I00000/
3.チャートを信用するか?
Twitterに「こういう過度なインフレと円安を煽る人は今の為替チャートもまともに見たことない人なので相手するだけ無駄だと思います」というリツイートがあったので以下のように回答しました。「そもそも私はチャートを全く信じないのですが、信じる人がいてもおかしくないのは、プログラム売買同様、平時の時だけです。これから起こるマーケットの激動は戦時体制で過去の傾向やプログラム自身に頼ってはいけないときです。チャートには日本にしか存在しないチャートが多くあります。日本民族だけが優秀で他民族がアホなのか?もしくはそのチャートが日本人の一人よがりなのか?私は後者だと思います。JPモルガンでも多額のお金を投入して米国1と言われるようなチャートルームを本店デーリングルームに作ったことがあります。3か月で壊しました。リスクテーカーが誰も信じなかったからです・
4.相変わらず統合政府論で国は大丈夫―>困ったもの
Twitterに「そもそも日銀が国債で得た利息は日本政府との連結決算という形で国庫に返納されます。 それは日銀は日本政府の子会社だからです」とのリーツイートがありました。「だからどんどん国債発行して、日銀に買い取らせれば問題ない」という趣旨なのですが、以下のように反論しました。「現在の日銀は保有国債から約1.4兆円の収入があります。日銀当座預金の半分の支払金利は0.1%にすぎませんから支払い金利は低く1兆円ちょっとの利益があります。したがって国に利益を納付できます。しかし、金利を引き上げる際(景気が良くなり市中金利を高め誘導するために)には日銀当座預金への支払金利を引き上げるしか方法はありません。FRBもその方法をとっていました。損の垂れ流しになります。
5.日銀当座預金の金利はゼロか?
Twitterに以下のリツイートがありました「だから、預かり金にほとんど利払いはつきませんよ 当座預金というのはバブルの時代でも金利がつかないものなのです」。日銀当座預金に対する付利金利がゼロ%で、今後ともゼロ%だと思い込んでいるようなので、以下のように返事をしておきました。「日銀当座預金は法定準備金が10兆円、その他が378兆円。現在はこのうちに+0.1%の金利を付けているものが208兆円。ゼロ金利が147兆円。△0.1%が23兆円です。金利の引き上げはこの378兆円への付利金利を引き上げていくしか方法はありません。1%上げれば3.8兆円の支払い増。保有国債は長期固定ですから収入は増えません」
6.(付録)ありがとうございます。
Twitterには大変多くの噛みつきリツイートがきます。特にMMT信奉者が多いようです。財政健全化が重要と主張する私にとってMMT論者は目の上のタンコブなのでしょう。元金融記者の石井さんがリツイートくださいました。「前も言いましたが、数千億円のポジションを一人で持った「伝説の男」、コメントを通信社スクリーンに載せたら各国から問い合わせが来るようなプロディーラーの藤巻さんの力と名声を金融記者として知るものにとって。説教する無名の人たちが、ちょっと滑稽で不思議です。これが民主主義、大衆社会か。」感謝です。