1.何故、今、日本政府は大型の財政出動が出来ないのか?
本日更新の朝日新聞原編集委員の論説だ。必読だと思う。原さん曰く「これは不思議な光景である。財政出動や超金融緩和にあれだけ熱心だった安倍政権が、まさにそれが切実に必要なこの局面で政策発動を渋っているように見えるのだ。 なぜか――。おそらく、やりたくても、思い切ってはやれないことがわかったからだろう」https://webronza.asahi.com/business/articles/2020042100003.html
2.池田信夫先生との問答
一昨日、池田信夫先生より「私はハイパーインフレより『逆石油ショック』のデフレが心配です。これを乗り切れば、交易条件の改善は日本のチャンスだと思いますが。」とのリツイートをいただいたので以下のように回答した。「石油暴落も心配ですがやはり私はスタグフレーションの方が心配です。何かの拍子で長期金利がほんのちょっと上昇すると(0.3%)日銀が債務超過になってしまいます。そうすると為替取引が不能になります。原油がドル建てでいくら安くなってもドルを買えないのであれば円価では石油は暴騰です」
3.原油先物はなぜ37.63ドルととんでもないマイナスまで下げたのか?
原油先物(WTI 5月物)がマイナス37.63ドルととんでもないマイナスで取引を終えた。原油のストックが物理的に困難との解説だが、それではここまでの大きなマイナスは説明できない。しかしマーケットの経験からすればこれはありうる。△15㌦ならば買う人が出てくるだろうと思えば、ディーラーは△10ドルと常識ではありえない(現物を渡したうえにお金を払う)価格でも売る。5ドル儲かるからだ。一種のババ抜きだ。通常は△15㌦の買い手など必ず出てこない。現物を渡したうえに15ドルもお金を払うのはありえないからだ。だからこういう現象はめったに起こらない。実は現状、日本に於いて長期国債の金利がマイナスになるのは、ここでいう△15ドルで買う人が恒常的にいるのと同じだからだ。それが日銀だ。日銀がいなくなれば長期金利のマイナスなぞ存在しない。満期まで持てば必ず損するのを気にせず買うのは日銀だけだからだ。長期金利を深堀せよとか、長期金利をもっと下げよというのは極めて人為的なマーケットであることを認識してから言えることだ。
4.トーク番組
5月1日(金)21時から生放送のSchoo『著者が解説人気ビジネス書』に出演します。書籍『日本・破綻寸前 自分のお金はこうして守れ!』について語るトーク番組です。コメントや質問も投稿できます。生放送は無料で視聴できます。 https://schoo.jp/class/6911