1.FRBと日銀の差
最近、マスコミがこんなにに国債引き受けたりCP購入を決定したりしてFRBは大丈夫か?との記事が目立つが、FRBと日銀とでは危険度に歴然とした差がある。米国には無い中央銀行倒産のリスク(=円の暴落)の可能性が日本にはある。日本政府がコロナ禍に対し大型支援策を採れない理由。
違い①FRBはBS規模が対GDP比でいまだ日銀の4分の1に過ぎない(それほど国債を買いこんではいなということ)。FRBは金融緩和からの出口があるが、日銀にはここまで来ると無い。
違い②日銀は今年中に日本最大の株主になる。私のラフな計算だと(他の条件が変わらなければ=国債の価格が動かない等)13000円割れで債務超過になる。FRBは株を保有していないからいくら株価が下がっても債務超過の可能性はない。
違い③2019年末の日銀の保有国債平均利回りは0.26%、FRNのそれは2018年1~6月で2.6%。共にそれ以後も低利廻りの国債を買い増しているから、それはさらに下がっているだろう。日銀はほんの少しの上昇で債務超過。FRBはかなりの余裕がある。米国は7~9月のV字型回復を予想している。米国は万々歳だが、日銀は長期金利上昇で日銀の債務超過が起こり悲惨。
2.ハイパーインフレが起きるか否かは為替が最重要。
よく私が「ハイパーインフレになる」というと「日本はモノが余っているから起こりえない」と反論する人がいる。私は必ず「国内のモノの需給ではない。為替が重要だ」と述べているのだが理解しようとしない人がいる。今は鎖国社会ではない。
今回の原油暴落で「ロシア財政が心配」の論評が多い。1998年、2014年の時の原油価格下落時も同じだ。どの新聞記事でも「ロシアのインフレ懸念」が見出しだった。原油価格下落でロシアの財政不安からルーブル安を引き起こしインフレが問題になった。それと同じ。ロシアは原油供給過多だ。他国からの需要が減ったから一層の供給過多だ。それでもデフレではなくインフレ懸念だ。自国通貨が暴落すれば国内需給など関係なく一発でインフレになる。日銀も債務超過になれば円が暴落しハイパーインフレ一直線である。https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5850924025042020MM8000?disablepcview
3.「伝説のディーラーが『ほぼ全資産を円から米ドルに替えた』というワケ」
再掲です。「プレジデントオンライン」に拙稿「伝説のディーラーが『ほぼ全資産を円から米ドルに替えた』というワケ」が載っています。無料で読めます。なぜ私が日銀に危機感を感じているか?なぜ私がドルを買っているかを解説しています。休日の日にお読みいただければ幸いです。https://president.jp/articles/-/34758
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