(臨時版)「本日の日経社説は重要」他

2020年04月29日

1.「国民1人あたり10万円給付」の財源13兆円は今年度法人税収予想額(ただし正しければ)と同じ

2020年3月期の最終損益は1~2月時に比べて46%下方修正だそうだ。第4四半期にコロナの影響を受けたからなのは明白。こんな状態が長期間続いたら法人税を納められる企業がどのくらい残るのか?2020年度予算の法人税収は本日審議している補正予算では12.8兆円を11.7兆円に減額している。しかし本当に1.7兆円ぽっちの減収で済むのか?超希望的観測に思える。足りなければ赤字国債の追加発行となるのは明白。ちなみにこの11.7兆円は「国民1人あたり10万円給付」の財源13兆円とほぼ同額。今年度の法人税収入は「国民1人あたり10万円」で使い切ってしまったことになる。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58591130Y0A420C2MM8000/

 2.(本日の日経新聞社説いわく「コロナ危機のような天災がもたらす被害は本来、一人ひとりが背負うべきリスクである」)

本日の日経新聞の社説は重要だ。私が普段から主張していることを結びとしている。社説いわく「公的部門に平時から十分な余力を持たせれば財政負担を膨らませる。」ー>「日本は平時に財政のバラマキをしてしまったがゆえに、今、みみっちい財政出動しかできない。金を刷る能力に限界がきてしまっているから」を婉曲に言っているのだと思う。第2に、日経新聞の社説曰く「国民保護法は私有地占有などで国民の私財に損害を与えた場合、国に賠償を義務付ける。では、コロナ封じ込めのため、強制休業などの私権制限を実施したら、国は補償すべきなのだろうか。憲法29条には『財産権は侵してはならない』とあるが、これは国の都合で私権を制限し、私財を毀損した場合の規定だ。コロナ危機のような天災がもたらす被害は本来、一人ひとりが背負うべきリスクである」。これは政府の代弁、政府の発表する露払いなのではないか?とさえ思ってしまう。何度も書くが日本政府にはもう金が無い。金がすべてではないが、金が無ければ政府といえども、なんにもできない。となれば、こう言うしかないのではないか?「財政赤字世界最悪」にした今までの政策ミスの咎(とが)ではあるが怖い。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58594360Y0A420C2SHF000/

 3.朝日新聞原編集委員、黒田日銀総裁の記者会見を聞いての感想

昨日の朝日新聞デジタル「『紙幣製造機』となる日銀  出口見えぬ異次元緩和に危惧」は黒田日銀総裁の記者会見を聞いた原編集委員が書いた記事だ。極めて鋭く的確に問題点を指摘されている。原編集委員曰く「この黒田日銀下の「10年緩和」が将来、財政のさらなる悪化や金融システムの動揺をもたらし、日本経済に取り返しのつかない負のショックをもたらすことを、私は危惧する。」「いつ崖が現れて転落するかもしれない道を、猛スピードで走る暴走車。安倍政権と黒田日銀の政策に、ついそんなイメージが浮かぶ。その車には1億2600万人の国民が乗っている。そのことを忘れるべきでない(原編集委員)」