(臨時版)「ドルを買え」「パウエル議長には言えて黒田総裁には言えない「今は財政悪化を懸念する時ではない」」他

2020年04月30日

1.パウエル議長には言えて黒田総裁には言えない「今は財政悪化を懸念する時ではない」

パウエル総裁は「今は財政悪化を懸念する時ではない」と述べたそうだ。「どんどん財政出動をしろ。財源である国債はFRBが引き受ける(=実質財政ファイナンス)」との意味だが、FRB議長だからこそ出来る発言で、黒田総裁は怖くて言えない。平時にそれをやりまくってしまったのだから・

・FRBはいまだ、日銀の4分の1程度の規模までしか財政ファイナンスをしていない。(FRBと日銀のバランスシート規模はほぼ同じ。名目GDPは米国が4倍)、

・FRBは国債発行額のうちのせいぜい20%程度しか国債を購入していない。(忘れてしまったが、国会で質問した時はすごく低い数字だった)。日銀は59%に迫ろうとしている(これを、昔はタブーと言われた財政ファイナンスと言わず何というのか)

・FRBの保有している国債&MBSの平均利回りは2.6%(2018年1~6月)、金利が少しぐらい上がっても債務兆以下の可能性はない。日銀の保有国債の平均利回りは0.26%。ほんの少しの金利上げで債務超過になってしまう。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58629360Q0A430C2000000/

2・中国、巨額対策に慎重論

日経新聞曰く「ただ巨額の経済対策には習指導部内の慎重論が強いとみられる」「中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は(中略)「マクロ経済政策の刺激が強すぎるとインフレや債務比率の急上昇を招く」と指摘し、巨額対策の副作用に警戒感を示した。易氏は「(巨額対策で)政府債務が一定水準を超えると、長期的に経済成長にマイナスの影響を及ぼし、成長率を下げる」とも言及し、過度の財政出動に警鐘を鳴らした」そうだ。計画経済の色合いが濃く政府・中央銀行が何でもコントロールできそうな中国でさえ、過度の財政出動に慎重なのに、日本は平時に世界で断トツの財政出動国(=政府債務が世界最悪)になってしまった。この緊急時に日本が大型経済対策が取れない理由。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58624430Z20C20A4FF8000/ 

ドルを買え

日経新聞曰く「『顧客企業が年度末に決済できなくなる恐怖があった』。国内大手銀の為替ディーラーはこう明かす。『金融の血液』である米ドルが世界的に入手難になり、邦銀の調達コストも11年ぶりの水準にまではね上がった。景気悪化を警戒した各国の企業や家計がいっせいに現金確保に走り、金融市場から資金が急速に流出したためだ。その余波で株式や債券は未曽有の乱高下に陥った」このような現象は、世界経済が通常に戻るまで何度も起こると思う。だからこそ私はドルのしかも現金に近い形での資産を保有を!と言っている。私がドルのMMFをお勧めする理由。いざという時のために仮想通貨の口座開設も。https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5750640001042020SHA000?disablepcview

4.市場機能を使え

ちなみに前述の日経新聞の記事の書き出しは「『なるほど、その手があったか』。3月上旬、短文投稿サイト、ツイッターである写真が話題をさらった。マスク売り場の値札に『1点目まで298円、2点目以降は9999円になります』と書かれている。ディスカウント店「ドン・キホーテ」での風景だ。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、マスクはすぐ品切れになってしまう。そこで価格設定を工夫して買い占めや転売目的の大量購入など「必要性の低い需要」を抑え、実際に利用したいひとにマスクが渡りやすくした。危機においても市場機能を生かす知恵。このツイートは約19万の「いいね」を集めた。」自由な取引のなかで価格が変動し、需要と供給が適切に調整されていく――。こんなふうに市場メカニズムが機能しないと、資本主義は本来の柔軟さを発揮できない。」。

私がマスクが市場から消えた時「マスクを1枚2000円にすれば実際に利用したい人にマスクが渡りやすくなる」とSNSに書いた時、1枚2000円なんて~と非難ごうごうだったが、私の言いたかったことはこういうことだったのだ(2000円のたとえが高すぎたのかもしれないが)。需給調整は別に政府が関与しなくても値段を活用すれば出来る。本当に苦しくて買えない人や医療機関(重病な人にもいきわたる)にだけ政府が支給すればいい。オリンピックの時の高速道路も交通量制限もこの手法・https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5750640001042020SHA000?disablepcview

 5.願望の出すぎ

茶々を入れるつもりはないのだが、このタイトル、やはり願望の出すぎでは?(笑)。このタイトルでは「米GDP今期は戦後最大の減少。でも4~6月期は年率40%のV字回復」と読めてしまう。きちんと「4~6月は年率△40%予測」と△を入れるべきだと思う。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58624980Z20C20A4NN1000/