1.日銀の対GDP資産規模は断トツ
やっと日経新聞も突くべき本質に触れ始めた。日銀は世界の中央銀行の中で断トツに危ない。この記事に載っている表をよ~く見ていただきたい。
日経新聞曰く「長期金利の動向次第だが、日銀は612兆円の資産量が20年末には650兆円程度に膨らむ可能性がある。増加幅は小さいものの、GDP比ではすでに100%を超す。一方、FRBは資産量が(藤巻注年末に今の2.5倍の)10兆ドルに達しても5割程度だ」(藤巻注:表によると現在は米FRB 20%、ECB40% ,日銀 100% )日銀は経済規模に比べてダントツにお金をばらまいていること。そして出口が無いことも明白だ。景気回復時には市中にばらまいている資金を急速に回収しなければならない。すぐ思いつくのは日銀保有の国債を市中金融機関に売り資金を回収する(金融緩和をやっている今と逆のオペレーション)。しかしそんなことをしたら金利急騰で財政が破綻してしまので出来ない。FRBも一時資金を回収しようとしてここで悩んだ。残された方法はFRBが採用した満期待ち手法だ。満期が来た債券の乗り換えをせず政府に元本金額を返してもらう手法だ。時間がかかる。より重要なことはその原資は税収だという点。税収はほぼGDPに比例する。すなわち日銀は他の中央銀行に比べて税金で資産規模を縮小するのが数倍も難しいということ。しかも税収で満期国債を償還するためには単年度予算が黒字になるか、または日銀以外の誰かが借換債を購入(かつ新発債分も購入)してくれるのが条件。前者はまず無理、後者は超高金利にならないと無理。日銀に出口はないのだ。
さらなる問題はFRBの保有債券利廻りは2.6%(2018年1月~6月)なのに日銀の保有国債利廻りは0.26%(2019年9月末)しかない。バランスシートを縮小するまでにほんのちょっと(0.3%)金利が上昇したら、債務超過に陥ってしまうのだ。残る論点は日銀が債務超過になっても市場参加者が許して(?)くれる(=日本売りをしない)か?だが、私は経験からして全く許してくれないと思う。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58663510Q0A430C2EA2000/
2.ハワイの観光客規制
昨日ハワイから来たEメールによると「観光客への厳しい制限が5月末まで延長になった」とのこと。ハワイは観光でなりたっているので50州で一番厳しい状況になるだろうともあった。「ハワイに来る観光客は2週間、部屋から出てはいけない」そうだ。例外は医者に緊急にかかりに行くときだけだそう(they are not allowed to leave for anything except a medical emergency)。食事はどうするのだろう?などと考えると観光客は誰も行くわけはない。島だから、そして州知事の権限が強いから出来るのだが、それにしても徹底している。
3.仮想通貨価格上昇の理由
ビットコインをはじめ仮想通貨の値段が上昇してきている。とくに各国政府が「大型財政出動&中央銀国の国債買い入れ」を表明してからの上昇が大きいように思う。お金のバラマキで世界的なインフレ(=通貨の弱体化)を予想しているのかもしれない。法定通貨ではドルの1強化、仮想通貨の存在価値増大か?
4.『著者が解説人気ビジネス書』に出演
本日21時から生放送のSchoo『著者が解説人気ビジネス書』に出演します。 書籍『日本・破綻寸前 自分のお金はこうして守れ!』について語るトーク番組です。 コメントや質問も投稿できます。 生放送は無料で視聴できます。 https://schoo.jp/class/6911