(臨時版(これからの数年間は、『富者と貧者』の下克上時代他)

2020年05月02日

日経宣伝2020年5月2日

1.各国の財政が悪化したのは弱い指導者のせい(ニーアル・ファーガソン氏))

日経コメンテーター(元論説委員)の梶原誠氏の本日の記事は重要だ。「今、大きな政府は必要とされている。だが、その限界も頭の隅に入れるに値する。今振り返ると、米JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が今年1月に語った内容が重く感じてくる。いわく『中央銀行が何でもしてくれると人々は思っているが、無理だ。インフレが起きたら大ごとになる』。投資家は国債の安全性を見る際、国内総生産(GDP)に対する政府債務の比率の低さを重視する。世界の合計では、08年末の62%から昨年末の89%まで高まった。それが可能だったのは、中銀が金融緩和で国債を買い支えたからだ。だがインフレになれば緩和策も取れない。国債の利回りは上昇し、各国の利払い負担は膨らむ。」

梶原氏いわく「投資家は国債の安全性を見る際、国内総生産(GDP)に対する政府債務の比率の低さを重視する」。日本は240%と世界最悪、それも断トツだ。今後、世界の投資家が日本をどう見るのか?そして梶原氏は「金融史家のニーアル・ファーガソン氏は、各国の財政が悪化した原因を総括する。『弱い指導者が、人気を買うためにバラマキに手を染め、取るべき税金も取らなかったから』。必要なら国民に痛みを共有するよう説得できるのが強い指導者だ。」と述べている。今の日本の窮状は人気を買うためにバラマキをしてきた弱い指導者のせいなのだ。そのツケを日本人はこれから払わされることになる。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58725730R00C20A5TCR000/

2.財政従属はハイパーインフレを招く

ブルムバーグ曰く「エコノミストの間で、財政悪化で金融政策が制約される「フィスカル・ドミナンス(財政従属)」として知られる。極端な場合、政府が求める資金を全て中央銀行が提供する状況を意味する。過去の事例を見れば、これはインフレ高進、しかも多くの場合、急激な物価上昇を招くことになる」。発行国債の半分近くを中央銀行が買ってしまった日本はまさに「財政従属」そのものだ。

ブルムバーグは続けて「金融市場のベテランには将来を憂える理由がある。JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフグローバルストラテジスト、デービッド・ケリー氏は24日、ブルームバーグラジオに対し、『今の状況を脱した後は、多額の債務を抱えて強い需要に直面することになる』と指摘。『インフレが高進し始めたら、それを制御する連邦準備制度の能力を人々は疑うようになるだろう』と話した。(中略)金利のわずかな上昇であっても政府財政に大きな負担となりかねない。」FEDはコロナ禍を抑え込んだ後に問題が起きる可能性が大なのだが、はるかに財政状況が悪く、はるかに中央銀行がメタボな日本はコロナ禍の最中に臨界点を超える可能性がある。それが恐ろしい。https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-01/Q9N0V3T0G1L701?srnd=cojp-v2

 3.これからの数年間は、『富者と貧者』の下克上時代

本日の日経新聞3面で「日本・破綻寸前 自分のお金はこうして守れ!」の宣伝を出してくださいました。いつも(全5段)の半分の大きさですが、それでも十分大きな宣伝です。本の「おわりに」から「これからの数年間は、『富者と貧者』の下克上が起こると思っています。資産家がいっぺんに財産を失い、賢く立ちまわった貧者が金持ちになる。現状をきちんと認識し、将来の青写真を思い浮かべられる人が勝つのです」を引用していただきました。