(臨時版)ドイツ裁判所がECBの国債買い入れ違憲判決、今、ウォッチすべきこと他

2020年05月06日

あやめ

(↑ 我が家のアヤメ)

1.ドイツ裁判所がECBの国債買い入れ違憲判決

独裁判所がECBの国債買い入れなどについて憲法違反との判決を賛成7反対1で下した、との NHK報道。

均衡財政が国民のDNAとして組み込まれているドイツは財政均衡を憲法で決めている。この国ではMMTなど論外もいいところだろう。日本のように財政赤字を積み上げる(=放漫財政)など、とんでもないことなのだ。成長は民間主導でやるか政府主導(=財政出動)でやるかの2択。日本のように、財政出動すれば歳入を一時的に国債で賄っても将来の増税で民間の活力がしぼむ。これが民間活用のドイツは大いに発展した一方、日本は40年間、世界断トツのビリ成長だった大きな理由。そしてこのコロナ禍でドイツは大型財政出動できるのに(憲法違反かもしれないが)日本の支援策がしょぼい理由。安倍首相も今、コロナ対策で大規模出動すればスターになれるし、自民党も次の選挙は大勝。でも出来ない。平時に財政再建をしていなかったせいだ。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200506/k10012418901000.html

 2. 今、ウォチすべきこと

Twitter に以下の質問があった。「ハイパーインフレは為替で起こるということは、インフレになるリスクを追う指標としては何をウォッチするのが良いでしょうか? 例えば日米のマネタリーベース比較などでしょうか?」

以下の通り回答した。

「日銀の債務超過です。中央銀行が恒常的に債務超過になると、その中央銀行が発行する通貨など世界中の人は誰も信用しなくなりますから。ポイントは長期金利だと思います。あとたったの0.3%長期金利が、上昇すれば時価会計で日銀は債務超過です。ハイパーインフレになるかならないかの論点はいつまで日銀が長期金利を0.3&以下に抑え込めるかでしょう」 

3.白川前日銀総裁の懸念

以下、白川前日銀総裁の朝日新聞とのインタビュー記事(2012日5月13日)

「中央銀行が際限なく国債を買ってお金を出し続ければ、制御不能なインフレになる。それが歴史の教訓です。つまり、通貨の安定性を根っこで抑えているのは、税制の持続可能性です」「銀行券の価値を国民が信用して受け取ってくれるから、その見合いで中央銀行は国債を買うことが出来る。逆に言えば、国民が国債の価値を信用できないと思えば銀行券の価値も失われます。これが通貨の持つ怖さです」

4.福沢諭吉先生の肖像の1万円札が紙切れになるかもしれない

以下、財政学が専門で財政制度等審議会委員を長く務める土井丈朗慶応大学教授のブルムバーグとのインタビュー記事(2019年2月18日)。なお現在、日銀は国債発行額の5割近くを保有。私が金融マンだったころはほんの数%だった。「政府が巨額の国債を発行する中で『日銀はやがて6割、7割を買い取ってしまうかも知れない』とし、国の財政赤字を日銀が従属的に穴埋めする『財政ファイナンス』との見方を払しょくできなくなる可能性を指摘。その際「慶応の人間としてはあまり言いたくないが、福沢諭吉先生の肖像の1万円札が紙切れになるかもしれい」

5、昨日はPECOのインタビュークーインタビュー

昨日は若者たちのペットに関するベンチャー企業PECOの広報活動に友情出演。若い人たちの企業、ぜひ頑張って欲しい。

https://peco-japan.com/

(↓ 我が家のアヤメ)

あやめ&インタビュー