(臨時版)100年に1度の危機? 今年の税収が史上最高予想のままのはずがない他

2020年05月10日

1.100年に1度の危機?

数年前に亡くなられた私の敬愛する経営者のおばあちゃまが「私は83歳だけど、『100年に一度の危機』を2度も経験してしまいましたよ」と「100年に一度の危機」との報道の大げさぶりを揶揄していた(1度目は1929年の世界大恐慌)。まだ生きていらっしゃったら、なんとおっしゃるのだろうか?「私は94歳だけど、『100年に一度の危機』をもう3度も経験してしまいましたよ」か?

私はリーマンショック直後「100年に1度のチャンスを掴め」という本を出版し米国株買いを勧めたが、今回は、まだ怖くて手が出ない。今は儲ける時ではなく守る時だと思うからだ。もっとも時価会計を採用している米国株の戻りは景気回復期には日本株よりよほどに力強く、早いとは思う。

2.今年の税収が史上最高予想のままのはずがない。

今年度は史上最高の63.5兆円の税収を予想し予算を組んでいる。歳出は126兆円だ。私が誤解していたのだが先日の補正予算では税収見込みを減額していなかった。今年度の税収が史上最高のままであるわけはなく法人税など激減だろう。景気の振れに余り影響受けないと言われている消費税だけが微減だと思う。最終的にはこの減収分の赤字国債が追加発行させるだろう。

(参考 :当初予算での予想 消費税21.7兆円 所得税19.5兆円 法人税12.1兆円、、相続税2.3兆円、揮発油税2.2兆円)

リーマンショックの翌年の税収(これはリーマンショックの影響をもろ受ける)は38.7兆円。この時は消費税が5%だったが、それを考慮しても、税収見込みは40兆円までも行かないのではないだろうか?となると税収40兆円(このほかに税外収入が4兆円くらいはあるだろう)で歳出126兆円。とんでもない財政赤字だ。 今年1年だけなら問題ないと思うが、日本はバブル崩壊後30年に渡って毎年30~40兆円の赤字をためこんできた。それが1115兆円の借金総額だ(私が狼爺さんと言われながら「財政再建の必要を叫んでいた理由だ」。世界最悪の財政状況だ。ここまで来ると、尋常な増税では返せっこない。それでも多くの政治家はこの事態を鑑みずに「財政出動!財政出動!」と主張する。残る手段は鎌倉時代から変わらない。借金踏み倒し。昔のように徳政令は出せないだろうから合法的徳政令の「ハイパーインフレ」だと私は思うのだ。 

3.国の借金総額1115兆円。尋常な方法で返せるか?

国の借金1115兆円。これは毎年10兆円ずつ返したとしても111年かかる。今年の税収予63.5兆円だから歳出を53.5兆円に抑えて10兆円を浮かして返して111年かかる。しかも111年間は金利がゼロ%のままで金利支払が増えず、社会保障費も増えないという前提での、話だ。ここまで来ると、尋常な増税では返せっこない。それでも多くの政治家はこの事態を鑑みずに「財政出動!財政出動!」と主張する。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58896490Y0A500C2000000/