１．世界はあいかわらず「日本病」のリスクにさらされているのか？
プレジデントオンラインにも書いたが、近じか発売される世界的に権威ある経済誌The international Economyのメイントピックが「Is the World Still at Risk of the “Japan Disease”?」（世界はあいかわらず「日本病」のリスクにさらされているのか？）だ。、借金まみれの日本は、権威ある米経済誌から「日本病」と揶揄されている。昔の老大国イギリスが「英国病」と揶揄されたように。それなのにこの国では、そこまでの危機感が無い。「平和ボケ」だと思う。https://president.jp/articles/-/35312
２．財政出動論者のいうように日本は財政出動が少ないのか？
慶応大学名誉教授の池尾先生曰く「政府純債務（財政赤字）の累積残高を決定することになる行為は財政政策と考えるべきであり」。財政出動派やＭＭＴ論者は「日本の財政出動が少ない。もっと財政出動しろ」と言っているが、財政赤字が世界最悪の日本を、世界は「世界最大の財政出動国」とみている。それでもGDP伸び率は断トツの世界最低。政府が出しゃばりすぎたのが、この国衰退の原因。
http://agora-web.jp/archives/938282.html
３．リフレ派に対する池尾慶応大学名誉教授の論考
少し古い論考（2010年）だが、慶応大学名誉教授の池尾先生のリフレ派に対しての論考。今ならＭＭＴ論者にそのまま当てはまる。池尾先生は、私が金融庁金融審議委員だった（三菱ＵＦＪの総帥、平野さんともご一緒したた）時の座長だった。池尾先生は紳士だから、無下には切り捨てていらっしゃらないが、ＭＭＴ 論者が先生がおっしゃるところの「不勉強で無理解とか、固定観念（バカの壁）に囚われてしまっている」のではないことを願っている。「デフレ脱却の方策をめぐる議論についても、『一度論じられた（決着のついた）問題を蒸し返している』といったものばかりで、2000年代前半時の繰り返しの感が強い。理論的・実証的に何か新しい示唆があるわけではない。同じような議論が繰り返されるのは、不勉強で無理解とか、固定観念（バカの壁）に囚われてしまっているなどが理由として考えられるが、背景には、現下の閉塞した状況に対する鬱積した思い（私は、それを「一挙的解決願望」と呼んでいる）のようなものが基本的にあるのだろう。その意味では、現下のいわゆるリフレ論というのは、経済学的な議論の対象というよりも、むしろ特定の社会現象として社会（心理）学的な考察の対象とされるべきものだといえる」
http://agora-web.jp/archives/938282.html
４．財政出動不足が日本経済低迷の原因か？
私のツイッターに日本経済がこの40年間で断トツのビリ成長だったのを「日本が緊縮財政をしていたからだ」と書き込んでくる人が後を絶たない。東大の岩本教授の理論をよく学ばれている方が私の援護射撃をしてくださっている。「ここ数十年借金は順調に増えてますが、名目GDPはほぼ横ばいですよね？ 何十年も収入増えてないのに借金がばんばん増えてるという状況が普通だと思うのですか？ 実際日本国債の格付けは順調に下がってます」
私も付け加えた。「そのとおりです。数十年借金が増え続けたのは税収以上に政府がお金を使ってきたからです。世界では借金が増えていると財政出動しているととられます。政府がお金を使っていなければ借金は溜まっていなかったからです。財政赤字が溜まればハイパーインフレで世界最低伸び率の名目ＧＤＰはさらに激減しま。日本は世界の四流国、五流国に堕ちてしまいます」
５．デフレだからハイパーインフレなど起こるわけがない？
私のツイッターに何度も何度も「デフレだからハイパーインフレなど起こるわけがない」との書き込みが来る。東大の岩本教授の理論をよく学ばれている方が私の援護射撃をしてくださっている。「そう、需給の関係で決まるインフレは今の状態では起こらないと言えるでしょう。 でも我々が言っているのは財政インフレで、多くのハイパーインフレは財政インフレだったのです。眠っているタンス預金も日銀にある超過準備も激しいインフレ圧力になります。」
私も付け加えた。「まさにおっしゃる通りで東大の岩本教授の論考の通りです。ＭＭＴ信者の方、又「ここまで財政が悪化してるのにハイパーインフレが起こらない」と思う方は、岩本先生の論考のどこに問題があるかを指摘していただければと思います。実務家としての私の経験と、岩本教授の理論的論考の結論が一致しているのです」http://iwmtyss.blog.jp/archives/1074965246.html