1.私が論じていた景気回復法(すでにToo Lateだが)
「フジマキは日本はダメだ、ダメだ」としか言わないとよく批判されるが、ここまで来てしまったので、「ダメだ」と言っているだけだ。以前は建設的意見を述べていたつもりだ。異次元緩和の替わりに「マイナス金利政策(黒田日銀のマイナス金利とは180度違う)もその一例。景気対策には「穏やかな円安」を主張していた。家で片づけをしていたら2003年11月25日の日経新聞「経済教室」の私の拙稿が出てきた。学者ではないのに書かせていただき感謝!だ。タイトルは「円安進め資産デフレ脱却」という、以下、何か所か抜粋する。「円安こそが『資産価格上昇』への最良・最高の処方箋だと考えるからである」「バブルは多くの弊害があったが、少なくとも『景気が良かった』ことは事実だ。物価が低位安定していても資産価格さえ上昇すれば元気すぎるほどの好景気が実現することを実証した」「バブル崩壊以降、日本は国力が弱まったのに通貨が、それに伴って弱くならず、変動相場制のメリットを享受できなかった。これこそ大きな構造問題だ」「日本人が海外に資産を還流させなかった理由としては、外為法、会計、税制、経済効率を無視する巨大な公的資金の存在などが考えられる。これらを改善し『民間が経済減速に則り、余剰資金を海外に還流させる仕組みを作ること』が必要不可欠だ」
「(円安誘導の手段として)第二に、日本の国債のドル建てによる発行である。ドル建て日本国債は金利が高いため日本人個人投資家の注目を浴びると思われる。国債大量発行時代を迎え国債消化に不安を抱える財務省にとっても救いの神である。この国債発行は他国から何ら非難を受けない。諸外国もドル建て国債を発行しているし、日本に「資金不足で財政破綻せよ」とは言えないからである。この国債を購入する個人が為替ヘッジをするとは思えないことからドル買い要因となる。一方、財務省は資金調達したドルを直物市場で売却するが、為替先物市場でドル買い予約を行う。したがって為替マーケットには中立である、又、財務省のコストはドル買いの為替予約をすることによりドル建て発行であっても円金利での発行と同じになる。先物レートは金利で損した分、為替でもうかるようにレートが決定されるため、ドル建て発行による金利のコスト高分は為替の益で穴埋めされるからである」日本経済の回復には穏やかな円安が最強」との私の主張はなぜか日本人は「円安誘導と非難される」という単なる思いこみで全く耳を貸してくれなかった。私が、多くの外国人投資家や米国政策当局者に話すと「それしかない」と絶対的な支持があったのに。
2.国と家庭の借金の意味は違うのか?
twitterに以下の質問があった「自国通貨発行権を持っている国のお金の話と家計を同じ土俵に上げて議論すること自体がナンセンスです。 麻生も選挙期間中は言ってましたよ。 日本に財源の問題なんかない、金を刷ればいいだけだって。 政権とったら言うこと180度変わりましたけどねw」
私の回答は以下の通り
「「自国通貨発行権を持っている国と家計の違い」は徴税権があるか無いかのみです。ほんの少し前までは「日本の財政が悪いのに、円が売られないのは日本の消費税率は世界で最低レベル、。消費税を上げれば日本の財政は大丈夫」と外国人たちは言っていました。一段と増えた借金、果たして、日本は消費税を大胆に上げられるのか?その時、外国人がどう思うかは大いに疑問です」